フォン・ド・ヴォー fond de vaeu

フランス料理

どうも、こんにちは。

今回は、フランス料理で基本となる出汁

フォン・ド・ヴォー fond de veau

についてお話していきます。

この記事の内容

フォン・ド・ヴォーとは

フォン・ド・ヴォーのレシピと仕込み

まとめ

フォン・ド・ヴォー fond de veau とは?

フォン・ド・ヴォーとは直訳すると

フォン ➡ 出汁

ヴォー ➡ 仔牛

仔牛の出汁という意味です。

なかなか日本では馴染みがないですが、フランス料理では基本の出汁です。

日本で言うところの

昆布出汁、カツオ出汁のようなメジャーな出汁の一つです。

この仔牛の出汁ですが、抽出の仕方によって呼び方が2種類あります。

それは

フォン・ド・ヴォー fond de veau

フォン・ブラン・ド・ヴォー  fond blanc de veau

この2つはどちらも仔牛の出汁ですが

フォン・ド・ヴォー fond de veau ➡ ソースや煮込みなどに使用するためのもの

こちらは、仔牛の骨やスジ肉をしっかりと焼き色をつけてから煮出して抽出する方法。

その為、茶褐色で濁っているのでソースや煮込み料理に使用する。

例)フォン・ド・ヴォーを使って

トリュフソース、マデラソース、赤ワインソースなど

煮込み料理(ビーフシチューなど)

フォン・ブラン・ド・ヴォー  fond blanc de veau ➡ スープなどに使用するためのもの

こちらは、仔牛の骨やスジ肉を焼かずに煮出して抽出する方法。

その為、白くクリアーな仕上がりになります。野菜などは大きめにカットし長時間煮込んでも煮崩れないようにするのがポイント。

ブラン blanc とは ”白” という意味。

この白い出汁を総称して

フォン・ブラン fond blanc

と言います。

例)フォン・ブラン・ド・ヴォーを使って

コンソメスープのベース

野菜のスープをのばす時など

用途によって抽出の仕方を変えています。

現在では、フォン(出汁)と言われるものはかなり存在し、主流になっているが、それまでのフランスのソースと言えば

ソース・エスパニョール

デミグラスソース

が主流であったが、1970年~80年代にフォンという存在が現れました。

素材の旨みを存分に引き出し、多種多様で凡庸性の高いフォン類は、その地位を定着させたといっても過言ではないくらい現在でもホテルやレストランで使われています。

今回紹介するのが

フォン・ド・ヴォーのレシピと、作り方。

フォン・ド・ヴォーのレシピと作り方【プロ向け】

レシピ

レシピ

仔牛骨  10㎏

玉ねぎ  0.5㎏

人参  0.5㎏

セロリ  3本

トマト(完熟)  3個

ニンニク  1株

トマトペースト  200g

タイム  1pc

ローリエ  5枚

黒胡椒  ひとつかみ

パセリ軸(あれば)  適量

水  約20Ⅼ

1  仔牛の骨を焼く、ミルポワ(香味野菜)を炒める

仔牛の骨を鉄製のフライパンを使って、多めのサラダ油で周りをしっかりと焼いていきます。

思っている以上に焦げ目をつけます。

それを鉄板に移し、180℃のオーブンで30分~1時間、中までしっかりと焼いていきます。

途中ひっくり返したりし、焼きムラを調整していきます。

中までしっかりと焼けたら、ザルで余分な脂を切ります。

この作業をデグレッセと言います。

鉄板にこびりついた旨みを適量の水でデグラッセしていきます。

デグレッセした油は今回は使いませんが、デグラッセしたものは煮込む時の使用します。

同じフライパンでミルポワ(香味野菜)を炒めていきます。

玉ねぎ、人参。セロリは3㎝角のに切ります、ニンニクは皮ごと横半分にカット。

ニンニクは切った断面を香ばしく焼くイメージで。

玉ねぎ、人参、セロリは強火で周りに色を付けるイメージで。中までしっかりと火を入れなくなくても大丈夫です。

野菜の周りに色が付き香ばしい香りが出てきたら、トマトペーストを入れ絡めておきます。

バットに取り出しておいておきます。

フライパンに水を入れ、こびりついている旨みをデグラッセしていきます。こちらも煮込む時に使用します。

先ほどのデグレッセデグラッセ。すごく似たような言葉ですが、意味は全然違いますのでご注意を!!

2  煮込み作業

焼いた仔牛の骨を、大きめの鍋に入れ水を入れ強火で火にかけます。約20Ⅼと書いてありますが、ヒタヒタよりも少し多いくらいがちょうど良いです。

水やフォンなどの液体を加えることをムイエと言います。

沸いてくると同時に仔牛からアクが出てきます。取り除きましょう。フランス語でエキュメ

ミルポワ(香味野菜)、トマト(完熟)、ニンニク、タイム、ローリエ、パセリ軸(あれば)を入れます。

野菜から出てくるアクも取り除いたら、弱火で出汁を抽出していきます。5時間~7時間は煮込んでいきます。

途中で浮いてくる油も取り除きながら煮出していきます。

油を取り除く理由としては、油は水よりも香りを吸収しやすい為です。仔牛の香りが油に移ってしまうのを防ぎます。

ラー油やネギ油とかは、この性質を利用しています。

こちらの記事で、フランス料理用語の基礎編をまとめたものを書いてます。

↓↓参考までに↓↓

フランス料理用語。基礎編。

3  漉す、2番出汁、3番出汁を取る、グラス・ド・ヴィアンを作る

5~7時間後、仔牛の旨みを抽出できたら漉していきます。

まずは大きめのザルで漉し、その次に細かいシノワで2度漉しします。

一度火にかけ、浮いてくる油と不純物を取り除き、冷やします。

大きめのザルで漉した時の残骸で2番出汁と3番出汁を抽出していきます。

1番出汁で抽出しきれなかった仔牛の旨み、香りを2番出汁で抽出するという考え方で良いと思います。

3番出汁も同様です。

抽出の仕方は簡単で、1番出汁の残骸を鍋に入れ、ヒタヒタの水を入れ、煮出していくだけです。

2番出汁は、約5時間。

3番出汁は、約3時間。

煮出していきます。

正直、この工程を1日で完結しようとするのは不可能なので、1番を取ったら一度冷やし、次の日に2番、その次の日に3番を抽出するのが良いでしょう。

また一度冷やすことで仔牛のゼラチン質が固まり、再び火にかけることによって溶けだし、仔牛の旨みと香りを抽出しやすくなります。

前日に仕込んでおいた1番出汁と2番出汁を合わせて、再び火にかけ、細かいシノワで漉して冷やしたら、フォン・ド・ヴォーの完成です。

使いやすい分量で真空し、冷凍保存し、使うときにその都度出すのが良いでしょう。

約1か月ほどで使い切るようにしましょう。

3番出汁の使い道としては、次回フォン・ド・ヴォーを仕込む時に

(水 + 3番出汁)

で煮出していくのに使用するか、グラス・ド・ヴィアンドにするかだと思います。

おすすめは後者ですね。

そもそもグラス・ド・ヴィアンドって何?

って感じだと思いますが、簡単に言えば濃縮した肉の旨みです。

フォン・ド・ヴォーの使い道としては主にソースのベースというお話を序盤のほうでしたと思うんですが、仕上げたソースの味がパッとしない時、味がボケている時に活躍するのがこのグラス・ド・ヴィアンドだと思います。

少量加えてソースの仕上げに使用するだけで、味がグッと引き締まりソース全体にまとまりが出てくると思います。

他にも、ビーフシチューのコク出しや、ビーフストロガノフのベースなど活躍の場は無限大にあると感じます。

そんなグラス・ド・ヴィアンドですが、作るのは簡単です。

3番出汁を極限まで煮詰めたら完成です。最後のほうはかなり濃度がついてくるので、鍋底が焦げるのだけ注意して下さい。

まとめ

いかがでしたか?

今回はプロ向けレシピなので、家庭ではなかな出来ないとは思いますが、知識として頭に入れておくのはアリだと思います。

またこの出来上がったフォン・ド・ヴォーは、主に肉のソースとして使用しますので、その応用編もこれから記事にしていく予定です。

今では既製品業界の発展も、目を見張るものがありますので、この自家製と既製品を上手く使いこなしてこそ真の料理人と言えるのではないでしょうか。

レストラン等の小規模ではなく、ホテルなどの大規模のお客様を対応しなければならない時に役に立つものだと思っています。

では、今回は以上です。

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